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同一のプロジェクトへの従事

 ソフィーは市のエンジニアである。市の審議会は彼女に、プロジェクトに割り当てるエンジニアリング会社を選択する権限を与えていた。彼女は、大規模発電プラント建設プロジェクトの技術的および経済的な実行可能性に関する第一次的な調査の委託先としてあなたの会社を選んだ。ソフィーとあなたの会社はその調査のために一括払いの契約を取り結んだ。それは市の審議会によって認可された。あなたの会社は調査を完了し、その結果提案されたプロジェクトは技術的観点および経済的観点の両方から可能であること、およびそのプロジェクトは現在利用可能な資金の範囲内で設計され建設されうることを結論付けた。
 市の審議会はプロジェクトの構想を認可し、ソフィーに対して、プロジェクトを設計し、建築に必要な専門的なサービスを提供する会社の選定を続けるようソフィーに指示した。ソフィーは、当地の、設計および関連した仕事に興味を持つすべてのエンジニアリング会社に対して技術的提案書の提出を求めた。そして、それらの会社が、あなたの会社が作成した実行可能性に関する調査報告を利用できるようにしておいた。
 プロジェクトの実行可能性に関する報告を自ら作成したあなたの会社は、技術的提案書を提出すべきだろうか?なぜそうなのか、あるいはそうではないのか?
 あなたの会社が実際にそのような提案書を提出したとしよう。もしあなたがソフィーであるとすれば、あなたはその提案書を受け入れるか?どのような状況にあればあなたはその提案書を受け入れるだろうか?
―NSPE事例78-9番からの改作

(訳 西村慶人 北海道大学文学研究科後期博士課程)