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工業設計における追加支払い

 ワイスは工業製品の設計をしているコンサルティングエンジニアである。彼はモンタナ製造会社(Montana Manufacturing Company)で、同社が開発している増幅器の設計の検査のために働いていた。同社はいまだに合格品の生産を完了しておらず、三ヶ月以内に顧客に対して最終的なモデルを送り届けるという圧力がかかっていた。ワイスは数日間を増幅器の設計の検査に費やし、製品を改良するために多くの勧告を行った。ワイスはその後、以前に合意していたとおりに日当を支払われた。モンタナ製造会社は引き続いてワイスに対して、顧客に満足して受け入れてもらえるような製品を製造するために、さらなる力添えが必要なことを告げた。さらにモンタナ社はスミスに対して、例えばその期間内に生じる出張や宿泊の費用といった、自腹の費用を賄う旨を告げた。しかしながらワイスが追加の手数料を受け取ることができるのは、増幅器が締め切りまでに顧客の要求を満足するものに仕上がる場合だけである。
 上で述べられたような契約を締結する前に、ワイスが知っておくべきことは何だろうか?このような状況においては、専門家協会はそのメンバーのために、どのようなことに気をつけておくべきか?追加の支払いと手数料(commission)の間にはどのような違いがあるか?どのような状況下では追加の支払いは賄賂に当たると見られるか?製造会社はこのような状況に対し、他にどのような対処の仕方があるだろうか?
―NSPE事例77-12番からの改作

(訳 西村慶人 北海道大学文学研究科後期博士課程)