分子動力学シミュレーション

物理や化学でのシミュレーションの目的は、構成粒子の微視的な運動をできる限り正確に追跡して、物質の性質や運動を明らかにすることである。分子動力学シミュレーションでは、個々の原子の運動を、ニュートンの運動方程式を解くことで求める。シミュレーションでは、観測困難な現象や、実験困難な条件下の現象も理解できる。マルチメディアクリエーター達が作ったいわゆるcgとは異なり、シミュレーションで作られたcgには1原子の位置にいたるまで、重要な意味が有る。

ibm almaden research centerより無断掲載

ひび割れの不安定性動力学

farid f. abraham, d. brodbeck, r.a. rafey and w.e. rudge,
phys. rev. lett. 73, 272 (1994).

張力下での2次元固体のひび割れを、100万個の原子を使ってシミュレーションした。シミュレーションにより、観測困難な現象や、実験困難な条件下の現象が理解できる。 シミュレーション中には、実験で発見された、沢山の現象が見られた。

ひび割れの伝播の様子を2つの長さスケールで示す。

巨視的に見たひび割れの動力学
(351 kb)

原子レベルでのひび割れの進行
(1.6 mb)

微少突起の衝突

一見平坦に見える表面も、原子レベルでは無数の凹凸がある。2つの平面が接する時、これらの突起が衝突する。これらの突起も原子で構成されており、衝突時に何がおきるかは分子動力学シミュレーションで分かる。

微少突起の低速での衝突
(209 kb)

微少突起の高速での衝突
(214 kb)

膜の動力学

さまざまな条件下での、膜の運動の大規模分子動力学シミュレーションを示す。2種類の物質が接する界面から細胞膜まで、膜は色々な所に登場する。膜は柔らかいので、複雑で大振幅の運動をする。
  • 膜の構造(145 kb)
  • 平板状態(359 kb)
  • つぶれた状態(179 kb)
  • 平板状態への復帰(391 kb)
  • 折り畳み状態(273 kb)
  • もみくちゃの状態(193 kb)