量子化学シミュレーション

例として脱離反応とフリーデル・クラフツ反応の量子化学シミュレーションを示す。

脱離反応 (2-ブロモプロパンとメトキシドとの反応)

強い塩基であるナトリウムメトキシドが、2-ブロモプロパンから臭化水素を引き抜き、1-プロペンを作る。 安定な生成物ができるよう、末端炭素上の水素原子が引き抜かれる。水素と臭素は反対向きに脱離する。 この反応は典型的な脱離反応であり、有機化学の授業で必ず学ぶ。 ここでは2-ブロモプロパンとメトキシドとの反応を、化学反応式で示した。 反応中の電子移動を矢印で示す。


理論化学により、2-ブロモプロパンとメトキシドが、どういう距離や向きで近づき反応するか分かる。分子は極めて小さく、反応は非常に早く進むため、反応の過程を実験的に調べることはほとんど不可能である。

理論化学により、解明された反応メカニズム

【球と棒の分子模型】
トルエンとアシル陽イオンが、どういう距離や向きで近づき反応するか示す。2分子の距離や向きは人間が適当に決めたのではなく、全原子の位置は自然法則から決まり、重要な情報を含む。
【空間占有模型】
各原子の占有体積(ファンデルワールス半径)を球で示す。この球内に近づくと強い反発(立体反発)を受けるため、分子の近づき方が制限される。
【最高占有軌道】
分子内で最も自由に動ける電子がいる軌道を示す。トルエンが求核性を持ち、電子がメトキシドから、ブロム陰イオンに移動する様子が分かる。 最高占有軌道の重要性はノーベル賞学者福井謙一により解明された。
【最低空軌道】
分子内で電子が次に入る軌道を示す。c-br結合とanti位の水素がc-br反結合性軌道と重なり、メトキシドから攻撃されやすい事を示す。最低空軌道の重要性はノーベル賞学者福井謙一により解明された。

フリーデル・クラフツ反応の動画

6角形のベンゼン環には電子が多くあり、陽イオンと反応して、環上の水素と置換反応が起きる。フリーデル・クラフツ反応は、ベンゼン環等の芳香族化合物に特有な、求電子置換反応の典型であり、有機化学の授業で必ず学ぶ。ここではトルエンとアシル陽イオンとの反応を、化学反応式で示した。 塩化物イオンが中間体からプロトンを引き抜いている。アシル陽イオンは塩化アセチルと塩化アルミニウムからできる。
理論化学により、トルエンとアシル陽イオンが、どういう距離や向きで近づき反応するか分かる。分子は極めて小さく、反応は非常に早く進むため、反応の過程を実験的に調べることはほとんど不可能である。

理論化学により、解明された反応メカニズム

【球と棒の分子模型】
トルエンとアシル陽イオンが、どういう距離や向きで近づき反応するか示す。2分子の距離や向きは人間が適当に決めたのではなく、全原子の位置は自然法則から決まり、重要な情報を含む。
【空間占有模型】
各原子の占有体積(ファンデルワールス半径)を球で示す。この球内に近づくと強い反発(立体反発)を受けるため、分子の近づき方が制限される。
【最高占有軌道】
分子内で最も自由に動ける電子がいる軌道を示す。トルエンが求核性を持ち、電子が陽イオンに移動する様子が分かる。 最高占有軌道の重要性はノーベル賞学者福井謙一により解明された。
【最低空軌道】
分子内で電子が次に入る軌道を示す。電子が陽イオンに移動しやすい事が分かる。 この場合正電荷の分布を示す。トルエンのメチル基との超共役が、反応のregioselectivityを決める。最低空軌道の重要性はノーベル賞学者福井謙一により解明された。
※画像は brigham young universityより無断掲載