解説

分子構造の生成器

ResNetなどの深い畳み込みニューラルネットで、画像分類が非常に上手にできるようになった頃、潜在変数から逆に画像を作り出す研究が盛んになった。敵対的生成ネット(GANs)が代表例であり、セレブ画像を学習して、現実にはいないセレブ画像を生成できたりする。 (more…)

共鳴状態の量子シミュレーション 4

この方法で、独立電子(つまり軌道) 模型の範囲で、共鳴状態を求めることができた。しかし、励起状態は占有軌道から作ったSlater行列式の線形結合で表され、 軌道模型は荒い近似しか与えない。 (more…)

共鳴状態の量子シミュレーション 3

では固体表面に吸着した分子が、光エネルギーを吸収して励起状態になった時、どんな波動関数になるのか。この分子の「イオン化」エネルギーを、固体の伝導体に電子が入りうる最低エネルギーとしよう。 分子がそれ以上のエネルギーを持つなら、ある速さで自動的にイオン化するが、これを超励起状態とみなそう。 (more…)

共鳴状態の量子シミュレーション 2

私達はこの問題を、準安定な量子状態の波動関数を求める事で解決した。シュレーディンガー方程式を解く際には、波動関数が無限遠でゼロになるという孤立境界条件を課すか、格子定数の何倍かで出発点と同じ値になる周期境界条件を課す。 (more…)

共鳴状態の量子シミュレーション 1

固体表面上の分子などの波動関数には、最初は分子に局在しているが、やがて 固体 に広がっていく例がある。このような準安定状態の量子シミュレーションの方法を開発し、色素増感型太陽電池に応用した。 この研究はポスドク研究員のDavid Sulzer博士や、名古屋大学情報学研究科の井内先生と共に行った。 (more…)

GPUによる量子化学シミュレーション 3

実用的計算ではd基底関数を使わなければならないが、最悪の場合、各threadは63個以下の変数を使い、約500個の積分を計算せねばならない。例えるなら9個の原材料から、2個を選んで色々な中間財を作り、 原材料と作った中間財から別の中間財を作り、という手順を繰り返し、165個の最終製品を作る。 (more…)

GPUによる量子化学シミュレーション 2

密度汎関数計算には多数の複雑なステップがあるが、最も良く使われる500〜1000基底関数で計算時間を食う部分は、(1) 近距離Coulombポテンシャルの計算(40%)、(2) 交換相関ポテンシャルの計算(40%)、(2) Fock行列対角化(10%)なので、この部分のみ加速すれば良い。 (more…)